マイケル・コール『文化心理学』

文化心理学―発達・認知・活動への文化‐歴史的アプローチ

文化心理学―発達・認知・活動への文化‐歴史的アプローチ


某SCでの展開についての企画書を作成。途中でふと閃き、伝えたい学習目標を全部で6つのカテゴリーに分けて図式化することに挑戦し始める。そうすると、学説的にきちんとしたものを出さなきゃいけないので、「○○ Development(○○的発達)」みたいなキーワードでググりまくる。けっこうたくさん出てくるのね。で、そこからひっかかったキーワードが、「文化心理学」。なるほど〜、こんなキーワードもあるのね、ということで、続けてamazonで検索。マイケル・コールという博士がけっこう大家っぽい。

で、読んでみたので以下、メモ。

p.viii
分業的質問法(QAR)による読解教育へのアプローチ:
テキストを討論しながら読んでいき、子どもたち一人一人が別々の質問をするという「役を演ずる」ように組織される。
・発音の難しい単語について質問する子
・理解するのが難しい単語について質問する子
・文章の主要な考えについて質問する子 たちが話し合う

互いに関わりあいながら、読みと関係するいろいろな目標に向けて進んでいくように設計された環境。これは機能した。


この分業的質問法は、ヴィゴツキーの原理に基づいている。人間の発達においては、精神間機能(人々の間での相互作用)が、精神内機能(個々の子どもの精神内での複雑な精神作用)の段階に先行詞、後者の段階を準備する。

p.8
文化心理学=新しいポストモダンな学問。認知科学、意識の歴史、コミュニケーションなどの他の「mixed-genre disciplines」と並ぶもの。

第二の心理学=?

p.102
なぜクペル続の子どもたちが、数学に関連していると考えられる問題解決の課題が困難なのかを理解したいならば、クペル続の人々が、私たちが数学をして認識しうる何かに出会う日常の環境を分析する必要があった。すなわち、学校教育に関するその他の人々の数学的理解力を判断する前提条件として、測ったり、見積もったり、数えたり、計算したりするなどの人々の日常の活動を研究する必要があった。

p.104
人は文化的道具とそれに関連する認知機能は、それらが決定的に重要である生活領域の中で発達させる。

p.142
コールによる文化心理学の主要な特徴。
1.文化心理学は、文脈の中で媒介された行為を強調する。
2.文化心理学は、歴史的、個体発生的、および微視的発生的水準の分析を含む広井意味での「発生的方法」の重要性を主張する。
3.文化心理学は、その分析を、日常生活の出来事に基礎を置くことを求める。
4.文化心理学は、人々の共同の媒介された活動の中で精神が申請すると仮定する。精神はそれゆえ、重要な意味で「共同で構成され」かつ分配されるものである。
5.文化心理学は、個人は、その発達において能動的な行為者であるが、完全に自分が選んだ条件において行為するわけではないと仮定する。
6.文化心理学は、活動の中で精神が新生するという本質を強調し、その説明枠組みにおける会社の中心的役割を認める科学を支持し、原因-結果、刺激-反応にもとづく説明的科学を拒絶する。
7.文化心理学は、人文諸科学、社会諸科学、生物諸科学の方法論を活用する。

p.404
第五次元 The Fifth Dimension
・コンピュータ
・コンピュータゲーム
・すべての規則が印刷されている規則集
・各児童の記録フォルダを納めてある箱
・コンピュータには最低1台、ネットでのコミュニケーションorウィザードとの対話ができるようにモデム→ネット接続
・ゲームのいろいろな水準をパスするために何をしなければならないのか、さらにパスするためのヒントが書かれている課題カード
・子どもたちが説く敵の水準で課題を振興し終えたとき、その子どもが入る「次の部屋」を指定する系列図。
・子どもの名前が書かれている「嫌なやつ」と呼ばれている駒。子どもたちの進み具合にあわせて進路の部屋から部屋へと移動する。
・参照して役に立つ、ゲームで遊ぶための理屈や方略が載っている「ヒント箱」
・場合によって、次に移る部屋を決めるために使う20面のさいころ。


第五次元は、子供たちが勉強したり遊んだりする場所として、wizardがくれた贈り物、ということになっている。

マイケル・コール
・カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)
 コミュニケーション学部の教授
・『文化と思考』をチェック