出井伸之『ONとOFF』

ONとOFF

ONとOFF


言わずと知れたSONYのCEO出井さんの、社内向けHPに掲載していた文章のまとめ。いろいろと書いてありましたが、おもしろいものをメモ。

p.148
(井深さんの追悼公演会での江崎玲於奈さんのスピーチから)
「セカンドランナーからファーストランナーへ」。
曰く、ファーストランナーとは、クリエイティブな失敗やリスクテイクをおそれない、自己発見につとめる人たち。
セカンドランナーは、お手本や前例がないと何もできない、協調性や組織プレーを重んじる、自己犠牲を厭わない。
現在の延長に未来はない。これからの時代、ファーストランナーでなければ、という主旨。非常に説得力がありました。
"Visit the future to find the guide." 温故知新の反対。これをきいて、私は「訪未創新」という言葉を作ってみました。

p.159
パリでアビニョンの演劇祭のプロデューサーと食事をした際、こんな小噺をききました。
世の中で一番薄い本は?

        • イギリス人が書いたレシピ集

二番目に薄いのは?

        • ドイツのジョーク集

三番目は謙虚なフランス人のリスト
なかなかのエスプリです。

p.168
(盛田さんの思い出)
ある時、頻繁に変わる仕事内容に私がグチをこぼした際、「サラリーマンたるもの、新しい部署に移動した最初の日でも、10年前からそこにいたような顔をして仕事をしろ。弱気な発言をすれば、下の者が迷惑する」と叱られて、目のさめるような思いをしたことがありました。これも適応能力の高い盛田さんならではのご発言ですが、盛田さんから学んだ貴重なマネジメント哲学のひとつです。